ネットで家探し

シテ以外にも、学生向けに家探しをしてくれる機関があったりするようなのですが、サイトを見に行ってもいまいちよく分かりません。
早めに現地に行って、始めはホテルか何かに住みながら、不動産屋さんやOVNI(日本人向けの雑誌)の3行広告を見て家探しをするという方法もあったのですが、私はあまりフランス語が堪能でないこともあって、そんなことができるか不安でした。
そこで、ネットで家探しをして、現地に行く前に契約してしまうことにしました。


ただ、これはかなりリスクの高い話です。
ですので、信頼できそうなところ、家の状態がよく分かるようになっているところ、契約の内容や手順がよく分かるようになっているところ、できれば日本語が使えるところという風に、慎重に探しました。
その結果、私は、LODGISという会社のサイトが気に入って、そのサイトに載っている部屋から選ぶことにしました。
このサイトは、日本語で説明が載っていますし、比較的写真が多くて部屋の状態が分かりやすいうえ、部屋についている設備、保証金や仲介手数料の額等についても詳しく載っています。
「洗濯機付き」「家賃1000ユーロ以下」といった条件検索もできて便利です。


私の場合、日本との連絡にも研究にもインターネットを多用することが予想できたので、「インターネット付き」ということを特に重視して探しました。
そうすると、家具付き、インターネット付き、電話付き、洗濯機付き、エレベーター付きというパリでは非常に恵まれた条件なうえ、インテリアも素敵な部屋を見つけたので、その部屋にすることにしました。
家賃は、寮などに比べると高いですし、一般住宅の家賃としても少し高めかなとは思ったのですが、インターネットをひいたりコインランドリーに行く手間が省ける上、その代金も込みということを考えれば、許容できる額かなと思いました。


ところで、留学生がパリで家を借りる場合、フランス人の保証人がいないなどの理由で断られることがあるという話をよく聞きます。
ネット利用とはいえ、契約の際には、この点が私も心配でした。
しかし、この点については問題とされることなく、日本人である父が保証人となることで契約することができました(※あくまでもそれぞれの賃貸人の判断によると思いますのでご注意を)。
一応、参考までに必要だった書類を挙げておきます。


・インフォメーションフォーム(自分の日本の住所等を書いたもの)
・パスポートのコピー
奨学金の証明書(英文、学振から発行してもらったもの)
・保証人(父)の源泉徴収
・保険加入証明書


これらの書類を提示したところ、賃貸人が納得してくださったようで、ファックスを通じて契約書にサインし、契約成立となりました。
不動産会社(LODGIS)に対して、クレジットカードで手数料を支払った後、賃貸人のメールアドレスを教えてもらい、後は、私と賃貸人との間で、前金の支払いや鍵の受け渡し等について連絡をとりました。


私は、パリに着いたその日からその部屋を利用することにしたのですが、大家さんが非常にいい方で、ベッドメイキングをしておいてくださったうえ、水やパンや卵などを事前に部屋に用意しておいてくださいました。
部屋自体も、写真で見たよりも実際に見たほうが綺麗に見える部屋で、水周りの使い心地もよく、大変気に入っています。


ですが、私は運が良かっただけかもしれませんので、実物を見ずにネットで契約される方は十分にご注意を!

シテに入居できるか?

パリの場合、国際大学都市(Cite Universitaire、シテ)というのがあります。
そこには日本館を始め、各国の(政府がお金を出して建てた?)寮が集まっていて、食堂や劇場などもあり、留学生向けの小さな街になっています。
多くの方から、ここに入るのがいいよと勧められたので、シテに入ることをまず検討してみました。


シテへの入居を希望する場合、どの館希望であろうとも、まずは日本館宛に入居希望を出すことになっているようです。
そこで、日本館のサイトを参照してみたところ、長期入居の場合(夏休み期間などだけの短期入居というのもあります)、入居資格があるのは、
・フランスの大学に登録している学生
・博士号を持っている研究者(ポスドクなど)
となっていました。


私の場合、どちらにも当てはまらない!!
フランスの大学には「登録」しない形で研究留学することになっているうえ、私は現在博士課程の院生であって博士号は持っていないからです。
しかも、私が日本館のサイトを見に行った時点で、入居申請の期限は過ぎていました。
ということで、シテに入るのは早々に諦めてしまいました。


ですが後から、シテの部屋は余っていることもあるし、条件のことについても諦めずにこちらの事情を話してみたらシテに入居できたのではないかという意見をいただきました。
確かに、フランスでは何かと融通が利く場面が多いので、そうだったかもしれないと思います。

パリで部屋探し

留学生がパリで部屋を探すのは本当に大変なようです。
地方の都市であれば、大学が留学生向けに大学寮を持っていたり、部屋探しをしてくれたりするところもあるようですが、私の大学の場合、大学寮もないうえに、「部屋探しは自分でするように」とわざわざサイトに書いてあるほど不親切です。
なので、部屋探しについても、全部自分ですることになりました。

CBについて

フランスでは、CB(Carte Banquaire、またはCarte Bleu)というカードが非常に普及しています。
CBとは、銀行のキャッシュカード機能と、デビッドカード機能と、クレジットカード機能が一体になった便利なカードで、フランスにあるほとんどのお店はCB対応になっています。
(普通のVISAカードが使えないお店でも、CBは使えるというお店は結構あります。)


ということで、銀行口座開設時に、CBを発行するかどうかと聞かれたのですが、私は作りませんでした。
シティバンクカードとVISAカード他のクレジットカードがあれば、そんなに不自由はないからです。
それに、小切手帳の発行は無料だけれど、CBの発行には手数料が必要だと聞いていたし、クレジットカード機能などもついているので手続も面倒なのではないかと考えると、1年に満たない留学期間を考慮すれば、持たなくていいかと考えたわけです。


で、今のところ、CBがなくてもあまり困りません。
CB持ってたほうが良かったかなと思うのは、クレジットカードが使えなくてCBだけというお店に出くわすとき以外では、夜間に銀行のATMを使いたいときです。
私の銀行では、営業時間後もATMだけは使えるようになっているのですが、そこに入る際にCBを差し込んで鍵を開けることが必要になっているからです。
ですが、建物に外付けされているATMなら使えるので、これについてもあまり不自由はありません(ちょっと用心が必要ですが)。


まぁ、CBを持っていたほうがフランス人気分をより味わえる気はしますけどね・・・

小切手帳の入手

では、口座に入ったお金を使うときにはどうしたらいいのか?
私の場合、家賃を小切手で支払うために銀行口座を開設したようなものなので、小切手帳を作ってもらうことにしました。
このことは、銀行との口座開設の契約時に伝えておいたので、待っていれば届くと思っていたのですが、3週間ほど待っても届きません。
そこで、口座開設時にもらった担当者の名刺にメールアドレスが載っていたので、そのアドレス宛にメールを出し、「小切手帳が欲しいのだけれどもどうしたらいいのか?」と聞いてみました。
そうしたら、「もう用意されていますので、取りに来てください。」と言うではありませんか!
そうだったのか!!と思って安心したのですが、ここから色々ありました・・・


さっそく銀行に行って、受付のお姉さんに、「小切手帳を受け取りたい」と伝えたところ、彼女に口座番号を聞かれました。
当然だなと思ってこちらの口座番号を伝えたら、彼女はパソコンをいじったうえ、「あなたの口座にはまだ1ユーロも入金されていないから、小切手帳は発行できません。まずは入金してください。」と言うのです。
確かに、その時点ではまだ1ユーロも入金していなかったので、そんなものかなと思い、その日のうちに入金をして、数日後にまた取りに行くことにしました。


そして、数日後、今度はもらえるだろうと思って、「小切手帳を受け取りたい」と受付のお姉さんに伝えたら、今度は入金の件では何も言われませんでした。
ただそこで、「あなたは小切手口座しか持っていないけれど、貯蓄口座も作ったらどうか。15ユーロだけ移せば作れるから。」と言ってくるのです!!
私は結構ですと断ったのですが、「じゃあなんでわざわざ口座を開いたのか?15ユーロだけ移すのに何か不都合はあるのか?15ユーロだけならいいでしょう?」と矢継ぎ早に言われてしまい、こっちもあまりフランス語力が堪能ではないので、15ユーロだけならいいか、日本より金利いいだろうしと思って、貯蓄口座も作ることにしてしまいました。
彼女が慣れた手つきで契約書を印刷して提示してきたので、確かに15ユーロだけ移っているのを確認して、サインをしました。


で、肝心の小切手帳はというと?
「これから作りますからその手続をしますね。小切手帳は2タイプあるのですが、こっちがいいですか?それともこっちがいいですか?」と言われました。
あれ?もうできてるんじゃないの?変だな?と思いつつも、「じゃあこっちでお願いします。」と頼みました。
「来週取りに来て下さい。」とのことでした(脱力)。


次の週、また銀行に行って、受付のお姉さんに三度「小切手帳を受け取りたいんですけど。」と伝えたら、今度はすんなり小切手帳が出てきました!!
でも、2タイプある小切手帳のうち、先週指定したものではないタイプの小切手帳です。
まぁそれは別にいいけどさ・・・と思っていたら、お姉さんは私に、「あなたはいつ小切手帳を申請したの?」と聞いてくるではありませんか!
やっぱりもっと前に用意してあったんだなと思って、小切手帳を見たら、なんと小切手帳の発行年月日はその日より20日も前になっていました!!!
その日付を見てどっと疲れました↓↓
「もう用意されているはずなんですけれど?」という一言を言わなかった自分が悪いなとは思いますが・・・


結局、私が小切手帳を入手したのは、口座開設の日から1ヶ月強経った日だったのですが、発行年月日を見れば、口座開設の日から約2週間後には入手できたことが分かります。
なので、口座開設から約2週間経っても音沙汰がないときは、確かめに行くといいのではないかと思います。

自分の口座への入金方法

無事に、フランスの銀行で口座を開くことができたものの、実際にどうやって使えばいいのか?
まず、自分の口座にお金を入金しなければ始まらないので、受付のお姉さんに聞いてみました。
ウワサには聞いていたものの、日本とはまったく違うシステムで、かなりアナログです(※私の銀行Banque Populaireの場合です)。


銀行に置いてある、振込み用のビニール袋(小銭用とお札用があるのでお間違いなく)を入手する。

そこに貼り付けてある用紙に、入金したい現金の種類と数(例えば、20ユーロ札5枚など)と、自分の口座番号、名前を記入し、その日の日付を書いてサインをする。

その袋に、入金したい額(用紙に書いたのと同じ種類・額)の現金を入れ、テープでとめる。

一番上の紙をはがし、自分の保管用にする。

二枚目の紙をはがし、銀行に設置してある印字機に差し込んで日付と時刻を印字した後、所定の箱に入れる。

現金の入った袋(三枚目の紙が貼り付けてある)を、所定の機械(?)に投函する。


以上。
ちょっと手間はかかりますが、入金した証拠が手元に残るので、トラブルのときには安心なのかなと思います。
(でも、このシステムだと、記入した額と実際に入金した額が同じかどうかなんて分かりませんよね・・・?)


私の場合、シティバンクカードを使って現金を引き出し、それを上記の方法で自分のフランスの銀行の口座に入金するという方法を採っています。

郵便局の現金為替

郵便局に行くと、Mandat Cash(現金為替)と書かれた用紙が置かれています。
他にも、為替は2種類置いてあって、その一つは、郵便局に口座を持っている人に払い込む場合、その口座に直接払い込むことができるというもので、もう一つは、為替の相手方への送達を郵便局自体がやってくれるというものだったと思います。
具体的な名前は忘れてしまいました。
私の場合、家賃を払い込む相手は郵便局に口座を持っていなかったですし、為替の相手方への送達を郵便局自体がやってくれるというのはシステムがよく理解できなくて不安だったので、現金為替(Mandat Cash)を選ぶことにしました。
これは比較的簡単でした。


払い込みたい額の現金を持って郵便局へ行き、郵便局に置いてあるMandat Cashの用紙に相手の名前と住所、自分の名前と住所、払い込みたい額(数字と仏文)で記入し、郵便局の窓口で、その用紙を渡し、自分の身分証明書を提示します。
すると、払い込みたい額に手数料を加えた額、日付等をその用紙に印字して、1枚目と3枚目を返してくれます。
こちらは、払い込みたい額+手数料を現金で払います。
返してもらった用紙の1枚目が為替になるので、これを相手方に渡します。
(私の場合、郵便で送りました。)
3枚目は自分で保管しておくためのものです。


ということで、一度慣れてしまえば分かりやすいシステムで、フランスに何の口座を持っていなくても利用できるので便利なのですが、欠点が結構あります。
・郵便局の列に並ばなければならない(郵便局では列が長くて時間がかかることが多い)。
・手数料がかかる(私の場合、9.70ユーロもとられました)。
・一時的にせよ、まとまった現金を持ち歩かなければならない。


ですから、やはり次の月からは何としても小切手を利用したいと思ったわけなんですが・・・これについては日を改めて。