在外研究と科研費使用

特別研究員になると、科研費ももらえることになっていますが、海外に行く場合には科研費は手放さなければいけないのか?というとそんなことはありません。
その年度のうち、少なくとも6ヶ月は日本にいなければならないとか、3月の時点で日本にいなければならないとか、色々なウワサがあると思いますが、特別研究員DCであって、特別研究員に選ばれたときのテーマと同じ研究を海外で行うのであれば、科研費は在外研究中も使用することができるようです。
これは、私の所属大学の事務の方が、学振に問い合わせて確認してくださいました(※でも今後変わる可能性もあるので注意してください)。


ただ、海外に居たまま科研費を使用するのは、ちょっと手続が面倒です。
日本に居る場合は、特に生協で書籍や文房具を購入した場合は、所定の書面を利用すれば、その場で代金を支払う必要もなく、生協と大学とで科研費から引き落とす手続を進めてくださったので非常に楽でした。
ですが、海外に居る場合は、書籍にせよ文房具等にせよ、一度自分が代金を支払い、そのレシートを日本の所属大学に送って、「立替払請求」をすることになります。


詳しい手続は所属大学によって違うと思いますので、以下は、私の大学(研究科)の場合ということで参考までに。


立替払請求をする際に必要な書類。
・立替払請求書(大学所定の用紙)
・領収書またはレシート
・領収書またはレシートの和訳
・(立替払請求をする支払先が複数ある場合は)内訳を示した書面
・ユーロから日本円へのレート換算結果プリントアウト(請求書作成日に大学指定のサイトで換算したもの)


しかも、これらは、「消耗品」「書籍購入費」などの項目ごとに分けて用意する必要があり、さらに、「現金支払い」と「クレジットカード利用」の場合とでは分けて請求しなければなりません。
クレジットカードを利用した場合は、上記の書類の他に、カード会社から送られてくる明細書(のコピー?)も提出する必要があるようなのですが、私の場合、カードの明細書は日本の実家に届けられており、フランスの自宅では手に入らないので、すべて「現金払い」にしています。
でも、書籍って結構高いですから、「この本欲しい!」と思っても手持ちがなく、一度店を出てATMでお金を引き出し、店に戻って購入するということも度々です・・・
日本に居たときの科研費利用の便利さに比べれば、海外ではその数倍も手続が面倒ですが・・・留学で貴重な体験ができている対価だと思ってそれくらいの面倒は引き受けなければなりませんね。