何を使って留学するか

博士課程院生がフランスに留学する際の手段として、私は、1 フランス政府給費奨学金を受けて留学する、2「日仏共同博士課程」プログラムを利用する、3 在籍大学の留学プログラムを利用するという3つの方法を主に考えました。


他にも、ルノー財団の奨学金を受けて留学するという方法もあるのですが、私の場合は、募集要項を見て、「私には合ってない」と思ってあまり真面目に検討しませんでした。
なんでそう思ったかあまり覚えていないのですが・・・Master2への留学ができますし、院生も対象ですし、待遇もいいと思う(寮を用意してもらえたり、ビザなどの手続を代行してもらえたり、授業が始まる前に語学の勉強や旅行をさせてもらえたりする!)ので、博士課程院生にとっても、検討する価値は十分にあるとは思います。


ですが結局、幸いにも、留学を考えていた年から特別研究員DC2に採用されることが決まったので、その枠内で在外研究をすることにしました。
そうすることにした理由は、以下の3点です。


・フランス政府給費奨学金で留学するのであれば、特別研究員を辞退しなければならない(特別研究員は他から奨学金をもらってはいけないから)。でも、奨学金の支給額等の研究上の待遇としては、特別研究員のほうがいい(ただし、留学上の待遇、つまり、フランス留学中のポジションについては、フランス政府給費奨学生のほうがいいので、迷いどころだとは思います)。


・「日仏共同博士課程」は、奨学金を受けずにこのプログラムだけ利用するという方法があるので、それであれば、特別研究員の身分を維持することが可能であるかもしれない。しかし、奨学金を受けないとはいえ、このプログラムを利用することができるのか、日本学術振興会に問い合わせなければいけないうえ、奨学金以外での「日仏共同博士課程」プログラムを利用すること自体の利点、プログラム自体の内容が、サイト上の説明からでは具体的に分からない。


・特別研究員の在外研究であれば、単位取得の必要がないため、自分の研究に集中できる(もちろん、その分、文章を書いたり論じたり聞き取ったりといったフランス語力が上がりにくい、友達が作りにくいという欠点もあると思います)。


というわけで、DC2の枠内で留学することにしましたが、特別研究員の在外研究は、手続をすべて自分で行わなければならないので、それがかなりの負担になることは覚悟しておいたほうがいいと思います。
しかも、特別研究員の在外研究については、利用している人が多いと聞く割には情報が少なく、かなり苦労しました。
これについては、長くなりそうなので、機会を改めて近日中にお届けします。