どこに留学するか?

博士課程の院生が留学を検討する場合、多くは、その留学の目的は「研究」だと思います。
じゃあどこに留学すると自分の研究にとって有益な留学になるのか?
これについては個々それぞれだと思いますので、深入りはしません。
私が考慮したのは以下のようなポイントでした。

1 誰に受入教授になってもらうか
研究留学の場合、フランスの受入教授の証明書がないとフランス留学の手続が始まりませんので、受入れてもらえる人を探すことは非常に重要です。通常、手紙かメールを書いて受入れをお願いするようですが、やはり自分の(日本での)指導教授からの推薦状があるかないか、面識があるかないかでは大きく違うようです。そのためにも、自分の指導教授がフランスのどの先生とコネクションを持っているかというのも大きな考慮ポイントだと思います(もちろん、まったくコネクションがない先生でも、意欲と情熱をもって手紙を書けば、受け入れてもらえる可能性はあると思います)。

2 自分の在籍大学と提携関係にあるフランスの大学はあるか
私の場合、在籍大学と提携関係にあるフランスの大学はあったのですが、その大学に私の研究したい分野の先生がいなかったため、その大学はあきらめました。

3 パリか地方都市か
パリだと資料等を集めやすく、有名な先生方も集まっており、研究会も多く開催され、(都会だから)留学生活も飽きずに過ごせそうですが、地方都市のほうがアットホームな環境なので落ち着いて研究ができ、友人もできやすく、語学力も上がりやすいのではないかといったことを考えました。
でも結局、1との関係でパリを選ぶことになりました。

4 Master2 RechercheかDoctpratか
フランスの大学制度は少し分かりづらいのですが(2年ほど前からLMD方式に変更されたのでさらに分かりにくいのですが)、従来、私の分野の研究者の多くはMaster2 Recherche(旧DEA)課程に留学していたようです。
(※フランスの大学制度については、フランス語教育振興協会とエデュフランス日本支局編集の『フランス留学案内−大学留学』が分かりやすいです。)
ですが、Master2は、1年間必修および選択で授業やゼミに出席し、テスト(筆記及び面接)を受けて単位をとり、そのうえでMaster2論文を書いて論文審査に合格してDiplomeをとるというなかなか過酷なコースで、自分の研究に集中することは難しそうです。じゃあDoctorat課程に留学をと思っても、どうすればDoctorat課程に留学できるのか(登録できるのか)、必要書類や条件などが大学のサイトには載っていないことが多く、大学の事務に自分で問い合わせなければなりません・・・
がんばってみてもよかったのですが、おそらく、フランスあるいはヨーロッパの大学でMaster2のDiplomeをとっていなければDoctoratへの登録は難しいのではないかと考えました。
結局、私は第三の道をとることになるのですが、それについてはまた改めて書くことにします。